随意契約による政府備蓄米の売り渡しを巡り、農林水産省は5月29日、大手小売業者61社からの計22万トンの申し込みが確定したと公表した。既に通販サイトでは、5キロ当たり2千円程度(税抜き)での予約販売が始まっており、今後は店頭での販売も本格化する見通しだ。米価の高騰・高止まりが続く中、政府は早期の価格引き下げを目指す。ただ、備蓄米の売り渡し量は計61万トンに上る見込みで、価格水準のみが一人歩きする状況もある中、2025年産の新米価格への影響を心配する声も出ている。政府は、生産現場が安心して増産に取り組める環境整備を大前提に需給と価格の安定化を進める必要がある。
(2面・総合)
▼関連記事
主食用米40万トン増産へ 25年産作付け意向(1面)
【2025年6月1週号】